PCR検査と抗原検査の違いは何?

新型コロナの抗原検査キットは、薬局や通販などでも手頃に手に入るようになり、 検査をした経験のある方は多いと思います。

 

それに比べ PCR 検査はある程度の費用がかかったり予約が必要だったりと、まだまだ手頃に検査できるとは言えない状況です。

 

そもそも、この PCR 検査と抗原検査の違いとは何なのでしょうか?

検査のメカニズムから違いを説明していきます。

 

 

◎抗原検査とは

市販されているコロナウイルスの抗原検査キットは抗原定性検査のことを指します。

  
コロナウイルスの抗体を用いてウイルスが持つ特有のタンパク質(抗原)を検出する検査方法です。

 

抗原検査はウイルス量が多くないと陽性でも陰性と判定されてしまいます。

 

 

 

その他に抗原定量検査があり、専用の機械によって抗原が検体にどれくらい含まれているかを検査します。

 
こちらはある程度の費用が必要であったり、検査会社に検体を運び検査にかけられるまでの時間を要するなど、手頃に受けられる検査とは言えません。

 

 

 

 

◎PCR 検査とは

新型コロナウイルスの遺伝子を専用の薬液を用いて増幅させ検出させる検査方法です。
微量なウイルスでも増幅させるため、感染してから発症する数日前より検出可能とされています。

 

増幅させ検出した新型コロナウイルスの遺伝子は、Ct 値によってウイルス量が判定されます

 

【Ct値とは】 

PCR反応で検出する際に陽性と判断したときの増幅サイクル数です。
ウイルスRNA量が多いほど早く(Ct値が小さく)なります。

 

Ct値が高いと、ウイルス量は少なく、感染力も低いとされ、
Ct値が低いと、ウイルス量が多く、感染力も高いとされています。

 

 

 

引用元:四国中検

 

このCt値が40未満の場合は陽性と判定されます。

 
ウィルスが検出されなかった場合は Ct 値は表示されず陰性と判定されます。

 

 

 

あるクリニックでの PCR 検査 の症例数を見てみるとct値は15~43の間で分布しています

 

 

 

 

 

ここで抗原検査では Ct値がどの値で陽性と判定されのでしょうか?

 

 

 

 

 

① 図で示されている赤色の部分は抗原検査キットで陽性と判定されるウイルス量が多く感染力が強い状態です

 

オレンジ色の部分は抗原検査キットで確実に陽性と判定されるとは限らないグレーゾーン 

 

③ ct値 27以上の水色と青の部分は PCR 検査では陽性と出ても抗原検査キットでは陰性と出てしまいます

 

 

これの意味するところは、抗原検査キットではウイルス量が多くて感染力が強く、酷い状態でなければ陽性と判断されないということです

 

 

数値で示すと抗原検査キットで確実に陽性と判定できるCt値21以下はPCR陽性例のうちわずか4.7%い部分)

 

グレーゾーンのCt値27まで含めても36.9%オレンジの部分)にすぎません。

 

つまり抗原検査キットでは60以上の陽性者を見逃していることになります。

 

引用元:たなか循環器科内科クリニック

 

 

実際に私の場合、 PCR 検査で Ct 値31で陽性と判定されましたが、その前後に検査した抗原検査キットでは2回とも陰性と判定されました

 

抗原検査では陽性と判定された場合は信頼度が高いのですが、陰性と判定された場合は信頼度は低いのです。

 

そのため、厚労省は抗原検査において「無症状者が陰性を確認するための使用は推奨していない」と言及しています。

 

 

 

これは抗原検査キットを否定するものではありません。

  
毎回 PCR 検査を受けるのも大変です。

 
PCR 検査と抗原検査キットにそれぞれにメリットデメリットがあります

 

 

頻繁に手頃に受けれる抗原検査を1次スクリーニングとして、

 
抗原検査で陽性であったり、陰性でも症状があればPCR 検査を2次スクリーニングとするなど、用途や状況によって PCR検査と使い分けていくのが賢明なのではないかと考えております

 

 

 

引用元:厚生労働省

 

 

注:あくまで個人が調べた内容と主観が含まれています。
本文には医学的根拠はありません、判断は自己責任にてお願い致します。 

 

 

 


 

【板倉直人】

元キックボクシング日本チャンピオン

健康経営エキスパートアドバイザー、食育指導士 、ビューティ&ヘルシーフードアドバイザー

 

「従業員の健康と幸せが会社を成長させる」を理念に企業の健康経営を支援する   うぇる・なす  共同代表